医療用立体モデルとは,医学教育などに用いられてきた「人体模型」の概念を拡げるものです.近年では,医療シミュレーション,医療機器の開発・評価や患者さんへの説明(患者コミュニケーション)にも模型を用いることが注目されています.
近年では3Dプリンタ技術の発達により,精巧なモデルを製造することが可能になっています.患者ごとに異なる形状,組織ごとに異なる硬さなどを実現することもできます.ただし,3Dプリンタだけでは十分な忠実度で製造できない組織があるのも事実です.さらなる技術革新が期待されます.
また,医療用立体モデルの質の確保,評価の方法の標準化といった「製品評価」,医療用立体モデルを使う方法の普及やそれを教える方法の質の確保など「使い方」に関する環境整備が必要になってくるでしょう.